WEB屋の明日は全世界がライバルかもしれない意識

考察

最近WEBデザイナーって楽な職業みたいに考える人からの問い合わせが多いように感じて、何か軽んじられている気がしてきたので、少しこちらの実情を含めて、僕の考えを暴露しておこうと思います。

果たしてこれを書くことにどんな意味があるのかと言えば、『書いたったー!』と思える僕の自己満足以外の何物でもありません(笑)そんな記事なのでご了承を。

まず先に言いたいことだけ書けば、今後WEBデザイナーという職種はより競争が激化してくるんじゃね?という僕の自分勝手な未来予想のお話です。

僕の元に寄せられるWEBデザイナー志望がWEBデザイナーになる理由として最も多いこと、それは「WEBデザイナーって、セナさんみたいに世界中どこに居ても仕事できそうだから、いいなって思いました。」的なお話、『いや、僕日本とカナダしかしらねんすが…』って突っ込みするのは置いといて、つまり海外でフリーランスな将来像ですが、まぁ、しかるべき実績と経験のある人ならどこでも仕事できるでしょうけど。しかし、ちょっと色々と、当然ながら疑問も抱くわけですね。

今日はそんなお話を頂いたWEBデザイナー志望な方へ送る、僕の勝手なメッセージ兼自分への戒め記事でござりますmm

WEB制作者が海外に出るということは?

僕が予想する一つの今後についてお話すれば、今後WEBデザイナーに限らず、WEB制作関連の職種(特にフリーランス)に対する競争は激化する、っていうかもうしてると考えています。とりあえず、下記のサイトを見てもらいましょう。

こちらの2つの有名なサイトは、フリーランスやアウトソーシング先を見つける時に企業や個人が利用するマッチングサイトです。試しに『WEB Desiger』と検索してみます。

両者合わせて10万人を超えるコントラクターが検索結果として表示されると思います。インド、スリランカ、南アフリカ、インドネシア、アメリカ、アルゼンチン、日本、イギリス、ありとあらゆる国のWEBデザイナーがこれらのサイトを利用していることがわかりますね。

言語という壁を取り除くだけで、日本以外のどこかでWEBデザイナーを目指すあなたはこれだけの人と比較されることになります。

ちょっとWEB制作と英語かじった人であれば、ここに登録されている時給数千円から数百円でレートを提示している人たちのレベルがいったいどんなものなのか、なんとなく想像することができると思います。ポートフォリオや実績にかけた時間なんかも見ることが出来るので参考までに見てみるといいっすよ。(まぁ、ボラ吹きもいるみたいですが…)

日本でWEBデザイナーを目指すとしても将来的に同じことが言えるのでは?

付け加えれば、これは僕の感覚値ですが、日本で『英語話せるようになった方が有利』と言われ続けて、いったい幾年の月日が経ったでしょうか。いい加減、ボチボチ、いやもしかしたら確実に英語の出来る日本人は増え続けているのでは無いでしょうか?(リソース元が無いので、あくまで予想です。僕がこっちいるからそう思うだけかもわかりません。)

まぁ、仮に10人に1人が英語喋れたとして、周りに一人通訳いればこれらのサイトは利用できます。仮にこのアウトソーシングサービスが日本で流通しだしたとして、その時、自分が仮に日本国内でWEBデザイナーを名乗っていたとしたら、これだけの人達がいきなり競合へと変わる可能性があると思うのです。

ただでさえ、業界の流れが早いと言われるWEB業界に、これだけのWEB制作者の流入があった時、いったい企業が自分にWEBデザインを依頼するメリットってなんでしょうか?値段?スキル?スピード?その問いかけが最も大事だと思うのです。

先程ご紹介したサイトに登録している人たちだけ見ても非常に優秀な方は多いです。このサイトを使い、既に海外コントラクターたちにアプローチをかけている日系企業の存在も見ることもできます。

 

ついでに、僕への数少ない相談の一つにも日本から北米へのアウトソーシングのお話がひとつあげられます。つい昨今まで大企業が大規模開発を行うために活用していた海外へのアウトソーシングは、目に見えて変化を遂げており。今や、中小企業やフリーランスが、コスト削減、クオリティ/作業スピードの向上の全てを意識して、世界中のWEB制作者へと意識が向いてきていると僕は感じてきています。まぁ、バカみたいに円高ですし、そういった判断を下す企業や個人の存在があったって不思議じゃ無いと思うわけですが。WEB業界は特に国境を無視しやすいので、そういった流れに乗るのも早いのかなと思うわけです。

つまり自分の強みを常に明確にすることが必要なのでは?

これは僕自身への戒めも込めてのお話です。これからWEBの業界に入る人はもちろん、WEB業界でプロフェッショナルを名乗る人間は近い将来、世界中のWEB制作者たちと天秤にかけられる時が来ると思っています。

もしかしたら、僕も気が付いていないだけで、既にそういった時代はやってきているのかもしれません。

WEBが作れるだけではいけない、WEB制作者を名乗るのであれば、これからの時代を生きるために、より自分に出来ることを明確にし、強みを生かしていく必要があると思っとります。僕がディレクターという立場で仕事をしているため、そう考えて欲しいなという希望も少なからずあります。

僕が思い描く今後のWEB制作者の例

今、そういった僕の元へ『海外でWEBデザイナー志望!』ということで相談をくれる人を含め今後WEB屋に必要な姿(僕が希望する姿)が何かを考えてみました。

必要じゃないかと思うのは制作者のニッチ化、専門化。『WEBサイトを作れる人』では無く、『○○なブランディングに特化したサイトの構築に長けた人』だったり。『iPhoneアプリとの連携に長けたWEBサイトの制作を強みとする人』であったり、はたまた、今僕の周りでWEB制作を勉強している人の中には、『美容関連に特化したWEBブランディングに特化したデザイナー』という名目で独自の個人ブランドを築き上げている人もいます。とにかく、自分が出来ることをかなり明確に伝えることだと思うわけです。

そんなの僕にも言えることなんですがねー。

 

さて、とにかく最後に一言でまとめるとするならば、『ただWEBが作れる人はもう必要無い。そんなん今や個人でも、その辺の国にアウトソースしたら想像以上にクオリティ高くて安く作れるんだから、もっとWEB制作者自身も専門性に特化していくべきなんじゃねぇすかね?』ってことですかねぇ。

って、全然一言じゃねぇヽ(゚д゚)ノ

 

以上、いかがでしたでしょうか?

先の予想が非常に難しいこの業界、ここでお話したのも僕の勝手な予想でしかありません。

しかし、北米でWEB制作し続けて感じたのは「ただWEB作れる人」クオリティの高さ人材の豊富さ。これ、もし日本で流通しだしたらいったいどうなるんだろうと思い、加えてWEBデザイナーとか楽そうな職業みたいなお話を聞いて何か危機感を覚え、記事にしてみた次第です。

僕自身も、将来まだまだ不安でなりません。バンクーバーに居るって言っても、やってること、抱える不安は日本に居た時と大して変わっていません。むしろ、そんな多人種、多国籍な国にいながら、毎日不安は募るばかりです。まぁ、移民終わったので、ちょっと気が楽にはなりましたがそれはまたどこかの機会でお話しましょう。

しかし、同時に希望が見えてくるのは一部の日本人クリエイターに対して、こちらのクライアントの信頼度がどれだけ高いかということ。職人意識の高い日本人という誇りも大事にしながら、今後やってくるかもしれない世界中のWEB屋がライバルとなる時代に向けて準備を初めておきたいと、常々考えている今日この頃です。

まぁ、それはそれで楽しいかもしれんっすね。とりあえず、日本クオリティをカナダに届けるディレクターをこれまで通り目指します。

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