僕らの生き残りをかけたWEB屋大戦争/そして寿司を握れという話

考察

先日、小規模ながらセミナー(半分座談会的な)でお話させて頂いた時の内容をちょっと今日はシェアしたいと思います。セミナーで話すつもりで書いた原稿をほぼそのまま記事にするので、口調とかいつもの僕の記事らしく無いかも分かりませんが、別人かっ!とかそういうツッコミ無しに暖かくスルーしてくれると嬉しいですね><

セミナーの内容は至って簡単です。今年一年、僕が遭遇した『あぁ、WEB屋として僕はこのままじゃダメだ』って思ったこと、考えさせられた事、つまるところ『WEB屋としてこれからどうしようかねぇ?』って話しの内容でした。僕のレッスンでいつもさせてもらってる話でもあります。
正直、内容があまりポジティブではない気がするし記事にすることは無い予定だったのですが、『これは他の人と共有するべき内容なのでは?』っという生温かいコメントも頂きましたので、今日はその時お話した内容をとりあえずシェアさせていただきたいと思います。

僕自身が『これからWEB屋としてどうして行こう。』って考えていることばかりで、まぁたまには自分の不安を書いておく事もアリなのかなと思ったので。自分の危機感をメモしておくという意味も、それを他の人にも知ってもらう意味を持たせて記事にしておこうと思います!なので、そういうこと考えてるヤツが居る位の感覚で見てもらえれば嬉しいです!

国外低賃金労働WEB屋 vs 日本人WEB屋

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大企業なんかがデカイ工場をそのまま海外へ移転させて、何千人という低賃金労働力を使い、管理者として数名の日本人を送る。結果として国内の仕事が減る。最低賃金が邪魔だという話しになる。
正直時事問題に関してはニュースを眺めるくらいしかしないので、あまり深い発言は控えたい所ですが、今そういう流れがWEB屋の周りでも確実に起きています。

しかも、WEBやITに関しては工場とか不要なので、工場移転とかを考えなければならない他製品企業と比べれば、海外の低賃金労働力を使う敷居が低い。僕らのようなフリーランスレベルであっても簡単にアウトソーシングと称して国外への仕事の依頼ができてしまいます。

つまり何が言いたいか、『いつか僕がやってる仕事も国外に流されるんじゃね?』って危機感があるよってお話になります。

多人種国家なバンクーバーなんかにいればいたるところでそういったお話を耳にします。
『A社は●●国の安い賃金の労働力を使っていて、実質従業員なんか3人くらいしかいないんだよ。』的な話しですね。

大も小企業も個人も関係なくなってきています。『安ければ良いってわけじゃない。』と言う人はいるでしょう。確かにそのとおりで日本人の技術力や責任感は世界屈指です。それはWEBの業界を見ても間違いないでしょう。僕のような凡人WEB屋が国外で仕事出来てるのももしかしたらその根拠の一つになるかもしれません。

しかし、その技術水準がほぼ均等になってしまったら?日本人が時給で$50くらいだとして、時給$5で出来る人がモニタの向こうに居たとしたら?

お金を出す立場なら後者を選ぶでしょう。事実、僕もこれまで幾度となく日本人フリーランスに依頼するか、それともoDeskやFreelancerを使い海外へ流すか。制作を仕切る人間として判断が必要な場面が幾度かありましたが諸外国WEB屋へ流す結果になったことは少なくありません。
基盤だけしっかり作って、明確な制作ルールとガイドラインだけ作っておけば、下手すれば半分くらいのコストで物が出来るのです。

いつ、僕の持つ知識や経験が、諸外国のそれと均等になってしまうのかが、僕は怖くて仕方がありません。そして、当然制作を請け負う側の僕は、その天秤に掛けられているわけです。

フレームワーク

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※ここでのフレームワークという言葉は『制作を円滑に進めるための枠組み/土台』の解釈で使っていきます。

先ほどのアウトソーシングのお話に対抗する一つの打開策として、僕は制作効率を強みの一つに掲げて活動してきました。ブログの記事でも何度か制作効率に関する記事を書かせて頂いたのはその名残りですね。

セナ:『このお仕事海外に投げると、あの国の労働者一人頭時給$5だとして5人くらい使って一日作業だと7時間で$175でしょ?俺こういうフレームワーク持ってて超簡単にそれ作れるから俺一人で時給$50だけど、たった2時間で作れるぜ?』
お客:『おいおい、ビックリだ$75もお得じゃねーか!』』
二人:『でぃ〜る!(熱い握手と抱擁)』

超簡単に説明してしまえば、こんな感じで効率化と実績で自分側に振り向いてもらおうって魂胆なわけです。ものすごい俗っぽい感じで例えましたが、時給換算が当たり前なカナダなので、とりあえずこんな事例にさせて頂きました。もちろん、人を納得させるのにこんなやり方する事はほとんどありません。

さて、ここで重要なのは僕がそういう簡単にそのサイトが作れるフレームワークを持っていたという点です。
バンクーバーで仕事をしてる間に、一番ビックリしたことがありますが、それは『フレームワーク』という言葉の重さです。
例え話しとして、WEB制作/ブランディングのコンペ案件があったとしましょう。ここでは不動産のウェブサイトのリニューアルを例に上げるとします。

さて、実はこの時点で半分くらいは結果が見えています。なぜなら僕には『不動産サイト専用のフレームワークを持っていない』からです。
3社も参加すれば、その内一社くらいは必ず『そんな専門のフレームワークってアリ?!?!』って具合な制作会社が一社くらい参加します。自動車ディーラーのサイトならそれ専用のフレームワーク、弁護団体なら六法全書データベース自社で既に構築してるとか、まぁそんなイメージでしょうか。そして不動産なら不動産のフレームワークやノウハウを持った制作会社が当然あるわけです。

結果、見積もりにも巨額の差が出て、実績でもクライアントを納得させられず沈黙。
専門性を持たない制作会社はコンペに勝てない!僕の能力値が低かった事ももちろんあるでしょう。しかし少なくとも僕個人が去年、今年と通してそういう自体に直面し不安になったのは事実です。

ただ、フリーランスの僕になんかそんな超専門的なフレームワークを作る時間もスキルも金も無い。だから既に存在するフレームワークを使いこなせるようにならなければ成らない。
僕ら制作人間がもらう金額=作業工数です。自分の価値を下げず、見合った金額をもらうためには作業効率を上げるか、自分にしか無い強みを持つ他ありません。

フレームワークって言うと、HTMLやPSDなどのテンプレ的な『楽に制作する道具』的に考える人も多いでしょう。しかし、僕にとっては確実に『1円でも自分の価値を上げるための道具』となっています。

毎日様々なフレームワークを目にし、時には間違った使い方/作り方もしました。Wordpress、Drupal、MT、Less、Sass、レスポンシブフレームワーク、etc。なんで次から次にこんなに沢山出てきて、それを追いかけ続け無ければ成らないんでしょう?そりゃぁ、”追いかける側”なのだから仕方がない。もし、そんなフレームワークを追う日々がいやなら、自分にしかないフレームワークを作り上げるしか無いのです。

後から追随してくる若い世代の存在

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僕も一応若いつもりです。しかし、例えば10代でBCIT(バンクーバーのあるBC州のIT公立学校)などを卒業した人と比べてしまえば、確実に技術面で劣ります。
僕が日々受けているWEB屋の留学相談に関しても20代前半の既に多才な経験のある方からの相談も増えてきました。
素晴らしい実績の数々、僕が手を付けたことの無い分野の知識、まだまだこれからな伸び代。
そんな彼らが毎年どれだけの数、世の中に出てくるのでしょうか。

加えて、IT業界は憧れの的になりやすいです。悠々自適な生活を送る極一部のIT成功者達の後ろ姿を追いかけ、僕らのような凡人WEB屋を横目に『こうは成らない』と意気込み、結果撃沈し僕らと肩を並べてる。
正直そういう人は山のように見てきました。

IT、WEBの業界でも確かに経験が物を言う所は大きいです。それはどの業界も一緒でしょう。しかし、この本当に流れの早いWEB業界だと、昨日の経験が明日には使えない状況を生みやすいのも、この業界の特徴なんじゃないでしょうか?で、新しい物を習得するという面では、若さは強みです。

『基礎がなってなければ意味が無い』というご意見も頂きました。確かにそのとおり、知識量だけ増えてしまっても基礎ができていなければ連携も取れません。しかし、まったく同じように『基礎だけでは不十分』とも言えるのも事実だと思います。とあるスマートフォン関連のサイト制作を専門にする会社の人が、今欲しい人材を『HTML5、CSS3、JSの基本が完璧な人材』と答えてくれました。なんともレベルの高い基礎だと正直僕は感じました。

もし、WEB屋を今後も名乗るのであれば、その日進月歩で激動の中を必死で追いかけ続けることになるってことを覚えておかなければ成らないと僕は思っています。

国際日系WEB屋の増加

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今年間海外へ留学している人が60000人くらいと言われているようです[参考資料]。言語習得は簡単じゃないって事は僕自身に体験しよくわかっているので、この60000人全員が語学習得して帰国するとは考えていませんが、まぁ、これだけの人数が毎年海外留学してるわけです。そりゃぁ語学習得者も毎年増えるっちゃ増えるわなぁって感じです。

ここは全て正直に書いてしまおうとおもいますが、僕が現時点で若干強みとさせてもらっている点はカナダと日本の2カ国間で仕事の受注が出来る点が一つ挙げられます。バンクーバーは日系社会がありますしね。

また、日本市場はやはり世界的に注目される市場の一つ、つまりカナダから日本市場を狙う企業にとっては僕のような日本とカナダでWEB屋としての経験がある人間は一応必要とされてきました。

ですが、これは恐らくそろそろ強みではなくなります。僕がカナダに居て5年の歳月が流れ、目に見えて周りの日本人でカナダ居住権のある人が増えてきました。

そしてここから日本のWEB業界に関係する話しとなりますが、IT関連の強みのある語学習得者達が日本に増えると、一体どうなるでしょう?僕を含め、いずれは日本に帰ることを考える人は留学生含め少なくないはずです。
僕はタダの高卒で凡人な一端のWEB屋なので正直あまり難しい事はわかりませんが、僕ならこちらの記事で紹介させて頂いたようなアウトソーシングサイトなんかを使って、制作会社の案件の雑務作業の大半を国外に投げてしまおうとするでしょう。そこで浮いたお金を自分の給料にでも当ててくれれば儲けものです。

プロジェクトの大事な部分は社内(日本人)で作り、雑務的な部分は国外へ投げる、一番最初のお話しに戻りましたね。大きな制作会社だと既にそういう体制を作っている所なんかありますが、中小企業や個人がこれを使わない理由ってなんでしょう?なんだかんだ、ひとつは言語面なんじゃないでしょうか。
じゃぁ、言葉の壁さえクリアされれば日本で何百枚もHTML書いて、デザインしての流れ作業だけを繰り返す人たちは必要なくなるののか。それは僕にはわかりません。

とりあえず、ここでお話したかったことは全部集約して一言に尽きます。『これからWEB屋は誰にでも出来る事でお金を儲ける事ができなくなるんじゃないか。』ってことです。

そんなん今もだよと言える人は、良い会社や境遇、向上心の高い人達に囲まれているのかもしれません。しかし、今の日本のWEB制作者の中には『誰にでも出来る事』を飯の種にしている人がゴマンと居るのも事実だと思います。

そして、危機感を覚えなければ成らないのは、その『誰にでもできること』の敷居がどんどん低くなっているということです。

今、自分にしか出来ないと思っている事も、来年も同じとは限らないという危機感です。

お寿司を握る事をオススメさせて頂きます

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僕は寿司職人では無いので、寿司職人になるのがどれだけ大変な事なのかはわかりません。がしかし、今僕らのような凡人海外居住者の間で最も必要とされているのは寿司が握れる人でしょう。海外移住や長期滞在がどの職種が優位かと聞かれれば寿司職人と答えるでしょう。日本食文化万歳です。
もし、これから先『将来海外に出るんだ!』という夢だけを掲げて、その手段としてITと考える人がいるのであれば、その夢を叶える一番の方法は寿司が握れるようになる事だと僕は思います。
なので、『今何も無いけど海外に行きたいんです!』っていう方は僕に相談するのは残念ながら違うのかなと思います。

あと美容師とか凄い人気ですね。寿司か美容師を目指してみてはいかがでしょうか?って言うかもしれません。めっちゃ就労ビザ出やすいらしいですしね。

『海外でもできそうな仕事だから』というノリでWEBやIT関係を目指すのは正直オススメしませんよという、いつ切られるか分かったもんじゃないですしね。ってことが言いたかったわけです。もちろんスキルや能力によるのは言うまでもありませんし。上手いこと日本の案件をカナダで請け負っている友人も多いので一概にムリとは全然言えませんがね。

ちなみに、僕の弟も日本食の料理人で、友人にも寿司職人がいるのですが、たまに『WEB作れるっていいよな海外とかで仕事できるもんな』って言われますが、全力で寿司握れる人の方が国外では必要とされているよというお話になります。

じゃぁ僕はどうしようか?って話

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『勉強:勉強:仕事』の割合

で、とあるおっさんがいきなりこんなことを言いました。
これから先、PCに向かう7割を自分の勉強、3割を仕事にあてられないWEB屋は危ない。
『・・・Googleだよね?』ってツッコミそうになりましたが、確かにこれから先もWEB屋としてやっていくためには、この激動の流れに付いて行く事が必要なんだとは思います。
技術的にも知識的にも、情報量も比例して増えて続けるでしょう。新しい技術が生まれ、それが自分に関係するのであれば有無を言わず習得しなければ成らない。習得しなければハブられます。

つい最近だと僕はSass勉強しましたが、アレ僕は最初やらなくて良いと思ってたんです。しかし、とあるプロジェクトのCSSガイドラインが全て変数で書かれたため仕方なく勉強。ここで分からないとは言えない、分かる人間なんて右にも左にも沢山居るので、必死ぶっこいて勉強しました。(あ、今では勉強してめっちゃ良かったと思っています。)
そういう状況をで焦らないためにも、常に技術的な向上が必要とされるのは間違いないでしょう。それを可能にするためには、この7:3の対比が実現出来る程の効率化か何かが必要になってくるのでは無いかというお話でした。

これを目指したい所ではありますね。

『WEB+何か』の組み合わせが必要なんじゃ無いか

今熱いと勝手に思っているのはWEB制作+翻訳通訳スキルのある人です。(これ目指したい人は連絡ください。)WEBサービスやアプリ、ゲーム等何をするにしても言語翻訳は必要になります。ただ、実際にはIT系のスキルがあって高いレベルで翻訳通訳が出来る人などは(僕の周りには)ほとんど居ません。『Wordpress何それ?新聞?…FTP何それ?…LESS?何が?』そんな具合なので大半の通訳者達は一からこのそれぞれの単語の意味を理解し、噛み砕いて翻訳しますが、そんなそこ一ヶ月位で理解したIT用語なんて本質をつかめて居ない事はやっぱり多いです。
というわけで、専門職+翻訳家って最近必要とされてる気がするなって思うわけです。

つまるところ『WEBサイトを作る』ということを付加価値と割りきってしまえということです。言い方きつくすれば『サイトが作れるから…何?』って事に答えられるようにするということです。
WEBサイトが作れる+美容師歴がある=美容関連のサイト構築を専門とする
WEBサイトが作れる+起業コンサルの実績アリ=起業時の効果的なサイト構築が可能
WEBサイトが作れる+個人ブログ高成果=個人ブランディングを意図したサイト構築が可能
この+の後に何を持ってくるかはわかりません。僕は翻訳とかいいなとおもいます。しかし翻訳者は5年海外に住んだ僕なんかでは絶対なれません、それ専用の知識が絶対に必要となるので覚悟してくださいね。

色々書いてなんですが、結局一番大事なのは自分がクライアントにとってどれだけの価値を提供できるかの一言に尽きるわけですがね。値段じゃない価値を提示出来るのであればもちろんそれに越したことは無い。そして常に僕らはそれを目指すべきではあるのだけれど、それが出来る人もまた同時に増え続けると思いますって言うこと。これが結局の所、僕の持っている不安をかきたてる材料になっている気がします。

以上、いかがでしたでしょうか?

いやしかし、マジ長かった。ところどころ言い方直してたらものすごい時間がかかってしまいました。
流石にこれは長すぎるかなと思いますが、まぁ暇な時にでも見てもらえれば嬉しいですね。
ただ、これは完全に僕が危機的状況と思っている事です。それが皆さんに全部当てはまるとは全然考えていません。このブログは当然日本に住んでる人が見ることが多いでしょうし、カナダと日本で全然違うよってご意見があっても、まったくもってその通りだと思います。
しかし、僕自身はこういうことを考えてこれから先どうして行くべきかを考える時期に着ていますよっていう、まぁ自分報告って感じですかね。

とりあえず、僕も何かWEB制作以外のプラスアルファは絶対的に必要だと感じているので、来年の1月から僕は大学に通うことにしました。といってもContinuing Studyという、なんか仕事しながら行けるようなレベルですが。これからWEB屋として生きるため、また来年からまた腐る程勉強しようと思います。僕が勉強大好きドMっ子で本当に良かったです。

さて、皆さんは年末をどうお過ごされる予定でしょうか?年末は僕は本当に色々考えさせられる時期なので、これから先WEB屋としてどう生きていくべきか、本気で色々考えなければならない時期なのかもしれませんね。

ついでに、こういう考察系のお話は基本Facebookの方でたまに投稿させて頂いています。

【うぇぶ屋の小コラム Vol.2】

・・・・加えてWEBサイトが作れるという人はあまりに増えすぎた。どんどん若い世代が新しい技術や表現を持って後から追随してくる。20代IT社長など珍しくもなくなってきた。もはや僕自身、制作技術を通して彼らと渡り合おうとは思って居ない。8年程前には確かにあったWEBサイトが作れるという特殊な技術は既に特殊では無い。漢検1級などの資格と同じレベルと思った方が良いと僕は思っている。・・・・

https://www.facebook.com/ONEPERCENTDESIGN/posts/518053444874169

もしよろしければたまに自分の考えも共有させて頂いているので、ご興味あればライクお願いしますー!

それでは皆様。普通に年末までに幾つかまた記事書くとおもいますが、良きWEB屋ライフを〜!

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