日本で全く冴えなかったWeb屋が海外就職する為に必要だった絶対の5カ条!

留学

今日はたまには海外WEB屋なお話もしなくちゃと思い、ちょっと前にお友達になった玉さんとのお話を公開してしまおうと思います。

彼は現在、カナダの現地の制作会社に勤務する日本人WEBデベロッパーです。2009年にバンクーバーのIT専門学校へ入学してインターンシップを経て海外就職に成功し現地の制作会社にてWeb制作を続けています。それだけに留まらずに、今ではカナディアンのIT専門学校のカリキュラムアドバイザーに就任するまでに至った人です。(要するに学校の授業内容とかにアドバイスする人っすね。)

僕はカナダに渡って数年も立たずフリーランスになった側の人間なので、彼のような現地の企業へ就職しきちんとしたキャリアを積んでいる人はやっぱり凄いなと思います。

しかし、僕は高卒(印刷会社に就職後、仕事しながら日本のクリエイター育成スクールに1年通学)。そして彼は高校中退→大検というキャリアです。

『海外で仕事するなんて高学歴でよほど待遇の恵まれた会社に就職しない限り無理だろう』と思っている人が多いのは僕が留学相談をしていて感じる所でもありますが、今日は僕らのような日本ではこれと言って履歴書に魅力が無かった人間がどのようにして海外に渡りWEB屋として渡り合っているのかを対談を通して皆さんとその一部を共有していきたいと思います。

僕が昔そうだったのですが、もし自分の境遇や待遇を必要以上に嘆き、将来に悲観的になっているような人がいたら、少しでもそういった人たちの後押しとなれればと思い、今日はお話を聞いて欲しいと思っています。

玉さんは話し出すと止まらない人なので、最初に彼が現地就職という経験を通して必要と感じた『日本で全く冴えなかったWeb屋が海外就職する為に必要だった絶対の5カ条!』を僕がピックアップした上でお届けします(笑)

目次

  1. 海外で成功する秘訣はズバリ、図太さ
  2. ポートフォリオの数は1つでも多く!
  3. 考え方やコードがリーズナブルである事
  4. 日本人の仕事のきめ細やかさは最大の武器
  5. 現地就職には現地の学校に行くのが近道

ぶっちゃけどうでも良い前書き)海外に出るまでの動機と準備

セナ:そもそもなんで海外に行こうと思ったんですか?

:理由はこれからの時代、英語とITが出来れば食いっぱぐれは無いだろーという単純な発想です!(笑)

今では笑える話ですが、僕はフィジーへ英語留学する以前、東京でWeb制作している時から、カナダのIT学校に行く事を決めていたんです。しかし当時TOEIC730点が入学条件で、フィリピンのオンラン英会話などで英語を学んでいたのですが、TOEICは650点前後で伸び悩んでいました。そこで一旦、フィジー留学を挟んでからカナダに行こうと。そしてその決意から一年後、満を持してカナダに到着したら、、、

セナ:その学校の入学条件がTOEIC600点に下がっていたらしいですね(笑)

:なーんだ、フィジー行かなくても良かったじゃん的な!(笑)さらに在学中にはTOEICのスコア提示は必須では無くなっていました。カナダはTOEICの点数うんぬんよりも学校指定のテストをクリアーすれば入学可能な専門学校が実は多いです。英語力が足りない(カナディアン講師の授業について行けない)場合、学校が提携している語学学校に数ヶ月通い、その卒業と同時に入学が認められるというパターンですね。やる気があれば敷居はそこまで高くないと思いますよ。海外でやっていくにはどの道、最初の数ヶ月間、語学学校に通うのはセオリーですしね。

セナ:TOEICの誤算(?)はあったにしても凄い計画的ですよね(笑)僕はカナダが映像制作有名らしいからーってだけで仕事辞めて3ヶ月で渡航して、準備不足を嘆いて入学を断念した人間なんで、凄く尊敬します(笑)結局ビザの関係で学校行けなかったですが、まだまだ今からでもその学校へは行きたいと思ってますし、やっぱり目的意識は大事ですよね。

:今からでも行けるし、全然変じゃないと思います!僕が海外の専門学校に入学したのは28才の時でした。Who cares?(誰に構うもんか!)ですよ。

海外で成功する秘訣はズバリ、図太さ

セナ:では本題です。僕は今年春に日本に帰国した時に、海外WEB屋(笑)として僕がやってきたことをお話させてもらう機会があったんですが、僕は間違いなく海外でWEB屋としてやっていく上で重要な物は『図太さ』だと思いますね。

『実際、海外で仕事見つからない』って言う人の多くは、そもそも行動に出ていない人も多い、例えばMeetUp※とかに参加して色んな人とコミュニケーション取った方がいいのは分かっていても、”喋れないから”で行こうとしないケースが多い。単語で伝えて後はボディ・ランゲージで補うくらいの『図太さ』があれば、僕はどんな人でも信じられないような可能性はあると思っています。

※MeetUp = 共通の話題や職種を持つ人達があつまるイベント。日本で言うオフ会的な?

:英語力で言えば、僕は4年前、カナダに来た時点でTOEIC850点位でした。そして最初は学校に行かずにワーキングホリデーで渡航してフレンチレストラン(英語環境)で皿洗いをしてたんです。学費が予定よりもちょっと足らなくて(笑)海外では予定外の事が起きたらその場で臨機応変に泥臭く頑張る!(笑)結局、入学はカナダに着いてから予定より4ヶ月遅らせてスタートしました。

ワーキングホリデー = 加盟国同士なら30歳までの間に1年間、仕事や学校や観光が出来るビザ。詳しくは『ワーホリ国名』でググってください。以下ワーホリで統一します。 

セナ:図太さ+臨機応変さって感じですかね。僕が知る人の多くは実際に図太くなってもいいだけの努力を積んでいるにも関わらず、『謙虚さ』ってのが邪魔をして表にだそうとしない。もっと言えば玉さんのように『WEB屋なのにレストランでバイト』っていうのも抵抗がある人は多い。

:僕が現地のIT会社に就職出来たのはそのレストランでの経験があったからこそだと思う。というのも、レストランで100%英語環境で働いた経験のお陰で、学校を卒業して今の会社の面接を受けた時に、不思議と全然緊張しなかった。きっといつの間に英語の職場の雰囲気に慣れていたんだと思う。学校の先生とは普段から英語でやり取りをしていたけど、僕にはそれプラスもう一つ英語を話す場所があって、それが最後の最後でプラスに働いた。だからどんな経験が後からどう効いてくるかなんて分からない。

セナ:僕もワーホリの時にガーデナーの仕事(と言ってもほぼ草むしり)をしてましたけど、あの時は色んなお宅にお邪魔しては色んな世間話をしました。この街って超フレンドリーな街だから、たかがガーデナー相手でも普通に接してくれるし、凄く楽しかったし、人と会話するスキルの向上にも繋がってくれたように思います。(もう一回やれって言われたら絶対嫌だけどw)

ポートフォリオの数は1つでも多く!

セナ:そういえば、面接で言えば玉さんがカナダの制作会社の面接で出したポートフォリオの話は面白かったですね。

10個ポートフォリオ持って行った話ね(笑)

セナ:僕は日本でWEB系のスクールに1年通った経験がありますが、流石に10個ポートフォリオサイト作って持っていった人は見たことがありませんでしたね。

:僕が通った学校は生徒に本物のクライアントが割り当てられて、一学期毎に1つのWebサイト制作をするカリキュラムでした。卒業する頃には皆、最低でも3-4個のサイト実績が出来上がる。それを元にポートフォリオサイトを作って就活するという流れ。しかし僕は学校に通う前からこっちの日系企業に飛び込みで営業かけて仕事を取って来るようにした。後は友達になったカナディアンの個人サイトを手伝ったり。なので、卒業時には10個以上、英語サイトの制作実績が作れたんです。まず数で他の応募者を圧倒していたとのが目に止まった点だと思う。

セナ:今や一個の物を精密に作ることもアピールポイントかもしれないけど、どれだけの物を効率的に作れるかも超重要ですからね。頭数も間違いなくアピールポイントになると思いますしね。

考え方やコードがリーズナブルである事

:それと日本でもそうだけど、こっちの会社でも、どういうコードを書くかに凄く重点を置いてインタビューする応募者を絞ってる。もちろん、Drupal※を始めとするCMSの構築概念の理解力などは当然求められるけど、面接の時に一番見ている部分はというと「考え方やコードがリーズナブルであるかどうか?」という点だと思う。

※Drupal = 欧米及び北米で有名なCMSで多くの団体、企業が採用している。ホワイトハウスなどでも使われている。

セナ:具体的に言うと?

:リーズナブルというのはよく日本語に訳すと「安い、お求めやすい」というニュアンスになりがちだけど、「利にかなっているか?」という訳が一番しっくりくる。つまりコーディング全体の構成しかり、画像の名前一つとっても、キチンと利にかなった作業が出来ている人か?という視点。就活というのは、企業側から見れば効率良く一緒に仕事が出来る人材を探し出す作業。例えば、ベーシックな話だけどコメントが他の作業者に読みやすく書かれているか?という部分も選ぶ側から見ると、応募者一人一人の印象が本当に変わってくる。それに気付いて以来、僕は自分しか関わらない個人のプロジェクトでも必ず、他人に見て貰う事を前提にコードを書いてコメントを残す癖が徹底できた。常にチームプレイヤーである意識は絶対の条件だと思います。

日本人の仕事のきめ細やかさは最大の武器

セナ: じゃー、逆に玉さんが感じている海外での日本人の武器って何だと思いますか?

:僕が日本、そしてカナダの制作現場で仕事をしてきた中で強く感じるのは、日本人は本当に仕事がきめ細かい。さっきチームプレイヤーという話をしたけど、作業完了の報告のメール一つとってみても、自然と丁寧な報告を心がけてる制作者が多い。 僕はもちろん英語のネイティブスピーカーでは無いけど、業務メールなどで十分にDetailed(細かい) と言って貰える事が収穫だった。それは僕がどうこうという話では無く、日本の会社で既にその意識を学ばせて貰っていたから。

こっちはデザイナーでもプログラマーでも本当に個性が強い人が多い。しかし、同じプロジェクト内で正確できめ細やかに自分のタスクをこなせるというのは、実は個性が強い人達の中でこそ大きな強みになると思う。 仕事の質という点で言えば、むしろ既に日本人は十分通じてる人ばかりだと思います。後は海外に活躍の場を移したいのであれば、 日本と同じパフォーマンスが出来るという事をキチンとアピール出来る魅せ方だったり、その環境まで自分を持っていく部分を磨いていけば良いと思います。

現地就職には現地の学校に行くのが近道

:これは僕が感じている事だけど、海外でWeb屋として成功するだけじゃなく、現地の会社で働いてみたいとまで考えてる人には、現地の学校に通う事が近道だと思っています。理由は単純で、日本人クリエーターで現地の学校に通わずに、直接現地の会社に就職した人を僕は今まで見た事が無いから。学校に通うのは異国の地でのチャンスの幅を広げる事と、 キチンとアピールする能力を磨く為です。正直、今はオンラインの講座も充実してるし、知識面だけで言ったら、lynda.comでも自宅で見続けてた方が学校に通うよりも知識量は増えると思う。それでもやっぱり外国の先生とのリアルなやり取りだったり、英語でのプレゼンだったり、卒業後の就職フェアで現地の会社との繋がりが持てたりというメリットは本当に大きいと思う。今、僕がこっちのIT専門学校でカリキュラムアドバイザーをしてるのもその当時の先生達が僕を強く推薦してくれた縁がきっかけだし。

セナ:でも実際には、金銭面でなかなかすぐにはそう行かない人も多いのでは? (僕がそうだったけど…)

:確かに先立つ物はお金だけど、僕の場合、実はカナダの学費の殆どは日本の某金融機関から借りたんだ。ある意味、頭金ゼロに近い形でカナダに留学に来て、実は今だに返済してる(笑)この話は、セナ君と始めて会った時に詳しく話したよね?なんとかして奨学金出してくれる機関は無いか走り回った話。「語学学校行きます」じゃ世間はお金を貸してくれないから、ちゃんとDiploma(卒業証書)貰える学校を探して申請するテクニックとか。あの時、それが通らなかったら、オーストラリアに一年間フルーツピッキングしに行って、お金を貯めてからカナダ来ようと考えてた。英語も伸ばしながらお金貯めれるし、モチベーションも保てるかなって。自分が実現したい目標さえ明確であれば、後は何年掛かろうが、途中で遠回りしようが最終的に達成出来れば全ては単なる過程にしか過ぎないと思ってる。

セナ:それ聞いたら僕も、もう一回こっちの映像学校に通う夢を追いかけてみたくなった。

:うん、むしろセナ君の様な海外で自分のやり方で成功して来た人が、昔からの自分の憧れを今から叶える姿はそれだけで、強烈なモデルケースになるんじゃないかな?俺には見えるよ、数年後にこっちの映像学校を卒業して現地の映像会社でカナディアンの部下をあごで使ってるセナ君の姿が。。。(笑)

セナ:(俺には見えねぇ…)いや〜、そうなれるようへらへらしながら頑張りますわー。それでは玉さん、今日は本当に長い時間、ありがとうございました。

:え?もう終わり?これから一番の持論である「TOEICの点数とビジネスEメールにおける相関性」の話をたっぷりと…。

セナ:(あ、めんどくさ)もう既に十分、文字数オーバーですから!もし反響があったら、その時はまたご連絡させて頂きます〜。

:本当に?まだまだ話足りないから、絶対にまた呼んでね?ねっ?(汗)

玉さんについて

宮城県出身の32才。高校中退後、様々な仕事を経験。東京のIT系の会社に3年間勤めた後、2008年、フィジーへ1年間の英語留学。その後バンクーバーのIT専門学校を経て、卒業後の2010年に現地のソフトウェア会社へ就職。カナディアンの大手チェーン店や大学などのWebサイトを多数手掛けるバンクーバー在住の日本人Webデベロッパー。2012年からはバンクーバーにある ITカレッジのカリキュラムアドバイザーに就任。制作現場での経験や現状を生徒に伝える仕事もしてます。バンクーバーの生活情報や英語勉強法など書き綴っているブログはこちら

あとがき

後半は若干和気あいあいな感じになりました今回のインタビュー、実は最初玉さんには『名前や顔出しはしない方がいい』とお伝えしていました。とりあえず、このブログもそれなりに見てもらっているからってことと、多少なりともアンチ海外WEB屋な人が居るのが理由でした。

しかし、僕と玉さんとでお話した結果として『僕らのように、過去に何の取り柄もバックグランドも無いような連中でも、目的意識と行動力だけで国外を拠点にWEB屋なんて今や夢でもなんでもない。一つのキャリアパスとして、もっと沢山の人に自分たちのような人間もいるということを知ってほしい』という思いもあって今回のインタビューには本人の許可と僕の同意もあった上で名前、顔出しとさせて頂く事になりました。

先ほどの玉さんのお話にもあったよう、英語とITの強みを意識して来る人や、僕のように日本からもカナダからも仕事が得られる体制を作ろうとしている人間、”日本の美大出ました”だけでは弱いと感じ国外の学校へ通う人間から、純粋にカナダが好きで来る人など目的は様々です。僕と玉さんのカナダへ来た経緯も目的も待遇も本当に全然違う部分も多いので、個人的にも凄い面白かったですし、今回のインタビューに関しては『こういう道もある』ってレベルで見てもらえたなら嬉しいなと思っています。

いやはや、久しぶりのインタビュー記事だったもので、凄い時間かかってしまった上に、若干うだうだになってしまい失礼しました!色々お話伺わせて頂いた玉さん、今日はマジで色々ありがとうございましたー!

ついでに、本気でバンクーバーへの留学を考えるWEB屋であれば経験、未経験問わず未だに無償で留学相談は受けていますので、本気の方だけどしどしご相談ください。出し惜しみせず僕らの知っている事は共有させて頂きます!

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